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株式会社ピアノプレップ

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1931年製スタインウェイB 一日保守点検@スタジオピオティータ

1931年製スタインウェイB型の一日保守点検
@杉並区下高井戸スタジオピオティータ


1mmはおろかゼロコンマmm単位で設定を変えるだけで音やタッチに違いが生まれるのがピアノという楽器です。その緻密かつ音楽的な整備を徹底していたのが店主がディーラーに所属していた当時のスタインウェイ社。今ではチェコの名器ペトロフに実践・応用していますが、一台一台のピアノに本来備わる魅力を最大限に引き出す仕事を心掛けています。


弦をクリーニング、響板上の埃も掃除します
 

真鍮棒で駒打ち、弦を駒に密着させて振動がより伝わるように
 

少しピッチが上昇していたため再びA=442Hzに調律

今回は湿気の影響を受けて弾き心地も音質もやや大味に変化。アクション&鍵盤をばらして手入れ、本番直前では難しい工程も地道に実施。古き佳きピアノをより洗練された楽器にリセットしました。

普段スタジオの演奏会等はベテランのコンサート調律師が担当、そんな同業のプロの方々にもスムーズに作業して頂くために保守点検が行われます。 


ベッディングスクリュー調整の模様を動画でご紹介
鍵盤筬が棚板から浮いていたためひとつずつチェック&修正。打鍵のエネルギーがアクションに100%伝わるように初期設定からリセットします 


鍵盤を外す前に高さをチェック、チョークで印を付けます
 
アクションを引き出すと各ハンマーの高さが大きく変化💧
湿気の影響でフェルト類が膨張したことが理由に考えられます


アクションを鍵盤筬から外して土台から調整していきます
 

チョークのメモに基づいて鍵盤高さをパンチング紙で調整
 

鍵盤筬のネジをすべて増し締めします
 

鍵盤筬に積もったホコリも掃除していきます
 

弾き込みで剥げた黒鍵木部側面をドイツ製塗料で修理
 

遊びが少ない鍵盤を専用プライヤーで調整、抵抗を減らします
 

鍵盤奥部のキャプスタンスクリューも磨いて滑らかに
 

アクションを鍵盤筬に再び搭載、鍵盤高さはご覧の通り均一
 

ローラースキンにテフロン処理、上質なアフタータッチを作ります
 

ハンマーの連打を司るジャック調整、先ずは前後位置から
 

そしてジャックの高さを修正、0.1mm単位でチェックします
 

LEDライトを照射しながらハンマー接近調整
音がぼやけていたのは接近距離が少し広がっていたのが理由
弦一本単位で精密に調整することで発音がクリアになりました


ハンマー接近の位置からドロップ(戻り)量は2mmで調整
 

浅く変化した鍵盤の深さをパンチング紙を抜いて調整
専用の定規でまずは白鍵の深さは10mmにリセット
 

湿気で変化したハンマーストローク(打弦距離)を調整
距離が狭くなっていたため基準の47mmに広げていきます
 

打弦距離調整完了、ピアニストが好む繊細なアフタータッチに
(アフタータッチのチェック方法は後ほど動画でご紹介)
 

白鍵のアフタータッチを参考に黒鍵の深さをパンチング調整
 

鍵盤の運動量が確定したところでハンマーストップ調整
弦から15mmでリセット、弾き心地に一体感が生まれます
 

アクション最後はスプリング調整、適切な強さに修正しました
 

ハンマー整音(ヴォイシング)はソフトペダルの音質から調整
 

音質の硬いハンマーには針刺し、適度な弾力性を作ります
 

ハンマーフェルト表面の針跡や毛羽立ちを綺麗に整形
艶と輪郭をまとったピアニッシモが発音可能になりました
 

音を止める装置ダンパーの動作のばらつきを調整
 

古いNYスタインウェイは特殊なソステヌート機構を備えます
動作のイメージを脳内で描きながら先ずは前後位置を微調整
 

ダンパーブロックの羽根の前後・上下位置を微調整しました
 

ペダルを綺麗に磨いて光沢が蘇りました✨
 

気になったソフトペダルの遊びをスキンで微調整、原始的?
 

こうして8時間にわたる一日保守点検を終えました
最初ガタガタだったハンマーの高さも綺麗に揃っています
 

一鍵一鍵のアフタータッチをチェックしてみます
鍵盤底1mm近くの引っ掛かりからpppが発音可能な状態です
このトクンという感触をきめ細かく揃えるのがスタインウェイ流


こうして1931年製スタインウェイが改めて感度の高い楽器に

最後にシューベルトのソナタD960を自ら試奏、レガートは繋がり、トリルは入り易く...
整備しているときはメカニックマンですが、テストドライバーのように演奏者の目線も忘れずに。いつまでも弾いていたくなる楽器です👍

PETROFの専門店にもかかわらず毎回ご依頼をくださるオーナー様に感謝。8時間かけた仕事後は音楽業界のよもやま話で盛り上がりました。NYから持ち帰られた想い出のスタインウェイは90年経っても健在。また一年スタジオ利用のアーティストに親しまれますように!
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