クラシカルなデザインが美しいチェコ製ピアノPETROF
今回は日本では希少なモデルP125G1のプレップアップを紹介。一台一台が工場の職人と現場のピアノ調律師(技術者)との作品です。

PETROF P125G1 Walnut High Polish

フロントパネル両端にはお洒落な装飾が入ったヨーロッパデザイン
先にプレップアップ(精密調整)後のテスト動画を公開
輸入後プレップアップしたペトロフピアノでフランス人作曲家フォーレの歌曲を店主自ら試奏しました。
円やかながら艶と輪郭が宿る発音にハンマーフェルトをリセット、丹念に一音ごとにダイナミックレンジを微調整しました。弦楽器にも使用されるチェコ産ボヘミアン・スプルースが醸す歌心のある音色と豊潤な響き...。美しい旋律の曲想とも実に良く合います。

それではピアノが工業品から楽器に至るまでの過程を...

まず長旅で曇ったチューニングピンを綺麗に磨きます

アクションを外して弦の汚れも同様にクリーニング

鍵盤を外して棚板、鍵盤筬の埃や木屑を掃除します

鍵盤高さを調整するパンチング類は日本規格で統一
後に他のピアノ調律師が作業するケースも想定しています

バランスキーピンを磨いて鍵盤の動作をスムーズに

同様にフロントキーピンもクロスを外して磨きます

定規をあてながらフロントキーピンの角度を修正

弦を真鍮棒で駒打ち、弦の振動が駒&響板に伝わるように

キーホール内に残っている木屑をブラシで掃除

続いてアクションを再び搭載してハンマー弦合わせ調整

ハンマー間隔、角度、進行方向を正しくセッティング
理想的なポジションで打弦するように整えていきます

再び鍵盤調整、バランスピンの前後位置を細かく修正

鍵盤高さの調整、白鍵と黒鍵を基準値に均していきます
鍵盤レベルの目線で一枚板のように揃っていたらOK

打鍵したエネルギーをアクションに伝えるキャプスタン
専用工具で理想的なポジションに左右前後を整えます

鍵盤の深さは10mm、専用定規とパンチング紙で調整

バックチェック、ブライドルワイヤーなどアクション各部を調整

0.5mm単位でひとつずつハンマー接近調整
トリルや連打、pppの表現力を引き出します

ハンマーストップ調整は弦から15mm。弾き心地が揃います

音を止める装置ダンパーフェルトの動作を調整します

新品のため先を見越してA=443Hzで調律します

PETROFを「楽器」にするのに欠かせない整音(ヴォイシング)
特に最近はハンマーが柔らかめに工場出荷されているため、強打にも応えてくれるフェルトの弾力性を作る工程が必要。ピアノ技術者のセンスがペトロフ個々の魅力にも大きく直結しています。

小声でささやくようなpppから芯のあるfffまで表現可能
ブランドは与えられるものではなく創り上げていくものです

PETROF P125G1 Walnut High Polish
Discacciati Piano Bench Mod.105
ピアノ調律師として調整するだけではなく、ユーザー目線で自身も欲しいと思える「楽器」に仕上がっているか否か。
技術者と演奏者の双方の視点で納得が出来るクオリティまで、工場出荷よりも厳しい基準を設けて一台一台の品質を充たしてからお届けしています。